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セガ・アーケードヒストリー「1988」

ゲイングランド

詰め将棋のような<戦略性>を要求される緻密なゲーム性と独特の世界観からセガの最高傑作とも言われる名作シューティング!

 従来型基板の3倍ほどの高解像度で、きめこまやかな画像を表現するSYSTEM24基板を採用した初期のころの作品だったが、その基盤の特性を生かして、すべてのステージを一画面で表現。大きなスクリーン上を小さなキャラが画面内でちまちまと動くのだが、高度なゲームアルゴリズムと、アクの強いストーリー性が受け、熱烈なる<ゲイングランドマニア>を生むことになった、セガ屈指の戦場型アクション・シューティングである。

 時は近未来。人々が娯楽施設で気軽に仮想戦闘を楽しめるようになった時代。突如システムが暴走。そのシステムを止めるべく、3人の男女が立ち上がったというのが筋書き。人型ロボットを相手に、中世ファンタジーの世界から、近代ミリタリー、未来のSF社会まで、バイキング、魔法使い、サムライ、ロボコップら入り乱れて、あらゆる時代の世界がごった煮になった、まるで映画『ウエストワールド』を思わせる世界設定が話題となった。

 ゲームシステムは当時としてはかなり異質。まさにアイデアの勝利。自機の概念からして型破りで、登場人物は最初は3人だが、捕虜を救出することで自機が増えていく。面をクリアする条件は、敵を全滅するか、持ち駒をEXITに逃がすこと。EXITで逃がした駒は次の面でも使用することができる。すべての持ち駒がなくなった時点でゲームオーバー。

 全部で20種類あるキャラはそれぞれ将棋の駒のように特徴が異なっており、それぞれ足の早い駒、射程距離の長い駒、屋根の上の敵を狙撃できる駒など様々である。飛車角的なエースがいるなら神風特攻人海作戦向きの捨て駒までいる。キャラはそれぞれ原始時代(槍・弓)、中世(魔法)、近代(手りゅう弾・ブーメラン)、現代(ライフル・マシンガン)、近未来(バズーカ・ミサイル)で4人ずつおり、各自使用武器が異なる。なんと、一人一人に利き腕があるため、キャラごとに攻撃座標にズレがあり、壁沿いで攻撃するときなど利き腕の違いが戦略に大きく左右される。難易度はキャラの使い方次第。「この場所にはこのキャラ」といった具合に、そのキャラでなければ攻略が難しい場面もあり、人選を誤るとクリア不可能となったりする。適材適所を見極め、場面場面で誰を使うかが攻略の鍵となる。そのためコンティニューしたところで人材不足では意味がない。まるでパズルを解くような感覚でゲームを進めていくことになり、「攻略の楽しみ」を存分に味わえることだろう。

 制限時間もあるため、残酷だがときには割り切って持ち駒を「見殺し」にしなければならない場合もある。誰を生かし、誰を犠牲とするか、戦術性が要求される。

 おもしろいのは、使い勝手のいいキャラを途中でなくしてしまったときだろう。ここで、残ったキャラで僅かな制限時間の中、いかにしてその難関を乗り切るか。そこがゲイングランドの醍醐味である。使えないと思っていたキャラが意外なところで役に立ったりして、そんな発見もあって楽しめる。

 二人同時プレーもかなり白熱する。アスラという名前のキャラがいるが、そのことからもマークIIIの『阿修羅』のあの興奮を思い出さずにはいられない。なお、海外版では3人同時プレーもできた。

 このゲームには大きなバグがあった。今では有名な話。ラストステージの2つ前のステージで、敵を全滅してもクリアにならないというバグがあった。そのため、そこではキャラを1人か2人ずつEXITに逃がして行くしか手がない。制限時間内に味方全員を逃がすことは不可能なため、プレイヤーは、選りぬいた精鋭メンバーだけを優先的に逃がすしかなく、そこがかえって「仲間を犠牲にしてでも任務を果たす」という劇的な演出となり、このゲームの評価を高めた。いまだに「セガの最高傑作」といわれるゆえんはそこにある。

 セガはアーケード、メガドライブ、プレイステーション2などで発表しているが、それぞれ攻略方法は微妙に異なる。同じ手が通用すると思ったら痛い目にあうので注意が必要だ。僕個人的にはハード的な制約が多かった中、「現代面」が追加されて最初のコンセプトの形が反映されているメガドラ版もがんばって移植した苦心が伝わって来る捨てがたい傑作だと思う。(2007/8/6)

ゲイングランド