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久々のソニック独擅場!最速のクリアタイムを目指せ!

ソニックと秘密のリング

2007年3月15日発売 アクションゲーム
開発グループ:ソニックチーム

 ほぼ毎年欠かさず何らかのソフトが発売される「ソニック」だが、2006〜2007年は勝負年ともいえる年だった。PS3とXBOX360には威信をかけた「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」が先発で発売。一方でWii向けには異色ともいえる「ソニックと秘密のリング」が後発で発売されることになった。スタッフとしても、グループ間で互いにライバル意識が芽生えていたようだ。

 商品の出来栄えとして、どちらが勝ちかというと、僕は引き分けだったと思う。それぞれ物凄い利点がありつつ、物凄い欠点があるからだ。PS3版「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」は、演出はかなり凝っていたが、ともかくそのラグがひどかった上、ロード時間も長く、俗に失敗作とも言われている。Wii版の評価は上々で、駄作扱いする人はいないが、良くも悪しくもヘビーユーザー向け。PS3版に比べると、ラグもなく、ロード時間もまったく苦にならず、システム面でも申し分がないが、それまでのソニックの操作性をまったく一新してしまったせいで、ソニックを「操る」楽しさが削がれた気がしないでもない(やりこむならダンゼンこっちなんだけどね)。

 今回のソニックはWiiリモコンをニュートラルにすると独りでに走る。リモコンの傾斜でソニックが左右に移動する。いわばレースゲームの操作法に近いが、曲がるところではソニックが自分で曲がってくれるため、マップは一本線といった感じで、他のソニックゲームのような360度好きな方向に進むという開放感がなくなっている。「NiGHTS」のように、ソニックはほぼ直線的にマップを駆け抜けていく。操作感覚がなかなか掴みづらく、ジャンプはボタンを「放す」ことで発動するし、ホーミングアタックもWiiリモコンを勢いよく振ることで発動する。感覚的というよりは、むしろ意識的に攻撃しなければならなくなった感じで、従来のようにボタンでチョンチョンとホーミングアタックしている方が「お茶の子さいさい」的で爽快感があったと思う(アタックの射程距離がのびたので慣れればそれなりに気持ちいいが)。あのソニックが「バック」するのもなんだか気味が悪い。

 とはいえ、その分、走るスピードを追求している点が高く評価できる。スピードブレイクを使っていっきにゴールすると嬉しくなる。使用キャラもソニック一人にしぼっており、他のソニックゲームのようなギミックを省いた分、ともかく「早くクリアすること」に起点をおいた点もいさぎよい。PS3版「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」よりもむしろこちらの方が初心に返ったという感じだ。

 ソニックらしさを求めつつ、他のソニックゲームの呪縛をときはなとうとしているところがこの作品のポイントで、なんと今回のソニックは「アラビアンナイト」の本の中を旅する。これまでのソニックの世界観とはひと味もふた味も違っているが、これが意外や意外、この世界がこうもソニックの世界とマッチしようとは。それらしいエスニックなBGMもたまらないし、絵本タッチのムービーも味わい深い。今回のプレイアブルキャラはソニックだけ。テイルスもナックルズも練習する必要はなく、ひたすらソニックの腕を磨くことに専念できる。一人だとヒーロー像が強調されて、ちょっとキザなソニックの一言一言がかっこいい。ステージを制覇すればするほど、ソニックは強くなっていき、それまでクリアできなかったステージも難なくクリアできるようになったりするので、ソニックの「成長」を肌で感じ取れるだろう。「ソニックはクリアしてからが楽しい」とはよくいう話だが、これはまさにそう。成果を出した分だけメダルがもらえる。メダルをコンプリートしたコアなユーザーともなると、信じられないような超絶プレイを見せてくれるから、あらためてソニックシリーズの奥深さを実感。失敗した分も経験値としてカウントされるので、従来のアクションゲームにありがちな「途中でしくじったらそれまでの苦労が無に帰す」という心配もなく、ソニックと一体になれる。

 残念なことは、「リング0個でゴールしろ」とか「敵を倒さずにゴールしろ」といった、いまひとつカタルシスに欠けるステージがかなりあった点。ソニックが崖っぷちをそろそろと歩くところも面倒くさい。やはりソニックは精一杯走って、次から次へと敵を破壊してこそ価値があると思う。

 映像ではPS3のきめ細やかさはないにしても、その美しさでは決して引けを取らない。Wiiはスペックの低さが問題視されてきたハードだが、決してそんなことはない。むしろステージの映像はWiiの方が綺麗だと思うくらいだ。

 パーティーゲームは、それだけでも一本のソフトとして十分通用するクオリティなので、ソフト1本で2度おいしいことになる。すべてのゲームはヌンチャクを使わず、Wiiリモコンのみで遊べる点も評価したい。Wii向けのセガゲーとしてはその人気を「スーパーモンキーボール」と二分しているが、「スーパーモンキーボール」が王道的なパーティーゲームだったのに対し、ソニックはアイデア重視のゲームをそろえており、いわば「マリオパーティー」路線である。以前の「ソニックシャッフル」に比べると数倍はおもしろいミニゲームが揃っていて、Wiiリモコンのスピーカーの音を聞いて宝箱の中身を確認したり、リモコンでバイオリンを弾いたり、なかなかユニークなゲームがある。スゴロク風に進むところも闘争心をかきたてるゆえ、友達4人で遊ぶと相当燃えるだろう。


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